パーマのこと

縮毛矯正した髪に、
パーマはかけられるか
決め手は、期間ではなく弾力

2026.09.01

縮毛矯正をかけている髪に、パーマをかけたい。でも「一度伸ばした髪にはかからない」と聞いたことがある。そう思われている方も多いと思います。

結論から書くと、かけられるかどうかは、髪の状態で決まります。

そしていちばん重要な目安は、濡らしたときに髪に弾力があるかどうかです。

なぜそこを見るのか、順番に書いていきます。

パーマも縮毛矯正も、やっていることは同じ

髪の中には、繊維どうしを横につないでいる小さな結合がたくさんあります。この結合が、髪の形をその形のまま保っています。

パーマは、その結合を薬で一度切って、形を変えた状態で繋ぎ直す施術です。1剤で切って、2剤で繋ぐ。この2つでかかっています。

そして縮毛矯正も、まったく同じ仕組みです。

パーマとストレートの違いは、繋ぎ直すときに髪が曲がっているか、真っすぐか。それだけです。かかる仕組みは同じです。

つまり縮毛矯正をかけた髪は、すでに一度、この結合を切って繋ぎ直している髪だということです。

だからパーマがかけられるかどうかは、もう一度切って繋ぎ直せるだけの結合が残っているかで決まります。

その残り具合が、弾力に出る

では、結合がどれくらい残っているかを、どうやって見るのか。

ここで手がかりになるのが弾力です。この結合が、髪に強度や弾力を与えているからです。

弾力は、結合がどれくらい残っているかを、外から知るための手がかりになるということです。

だからサロンでは、髪を濡らして触ります。確認している分かりやすい基準としては、押し返してくる感じがどれくらいあるかです。

押し返してくる感じが強い。
→ 弾力が残っています。かけられる可能性があります。

押し返してこない。手に力なく張りつく、テロテロとした状態。
→ パーマは難しいと判断します。

あるかないかではなく、どれくらい強いかで見ています。

もうひとつ見ているのが、乾いた状態です。乾いているときに髪にチリつきがあるなど、荒れている場合も難しいと判断します。

パーマは髪を曲げる施術なので、チリつきがある髪が綺麗になることはありません。つまり、チリついたまま髪が曲がるので、パーマがかかったとしても綺麗な見た目にならないのです。

この2つで、判断のほとんどが決まります。

「何ヶ月空ければいいですか」について

よく聞かれる質問ですが、期間では決まりません。一度ダメージを受けた髪が、元の健康な状態に戻ることはないからです。

そして同じ半年経った髪だとしても、人によって髪の状態はまったく違います。矯正のときの薬の強さ、アイロンの温度と回数、そのあとのカラー、毎日の扱い方。変わる要素が多いので、日数だけでは決まらないためです。

とくに関わってくるのがアイロンの熱です。160℃より高い温度を繰り返し当てると、髪の内部の繊維が変わってしまい、弾力が下がります。200℃を超えると壊れます。

そして弾力が下がると、形が決まりにくくなり、持ちも悪くなる。

これはそのまま、パーマがかかりにくい状態の説明でもあります。

ですので見るのは、日数ではなく状態です。3ヶ月でもかけられる方もいれば、1年経っていても難しい方もいます。

根元と毛先で、薬を変える

矯正がかかっている部分と、そのあと新しく生えてきた部分。この2つは、まったく違う髪です。

片方はすでに結合を切って繋ぎ直してある髪。もう片方は、まだ何もしていない髪。同じ薬を全体に使うことはしません。

やり方は2つあります。

どちらにするかは、根元と毛先の差がどれくらいあるかで変わります。

ストカールについて

根元は縮毛矯正で伸ばして、毛先はパーマで動きを出す。いわゆるストカールという施術があります。

これも髪の状態によります。見ているところはパーマ単体のときと同じで、パーマをかけられる状態であれば、ストカールもできます。

逆に言うと、毛先に弾力が残っていなければ、ストカールも難しいということです。特別な条件が要るわけではありません。

相談するときに、伝えてもらえると助かること

矯正歴のある方の場合、これまでの履歴がいちばん役に立ちます。

髪を触れば分かることもたくさんあります。ただ、履歴だけは聞かないと分かりません。そしてその履歴によって、薬の選び方も巻き方も変わってきます。

覚えている範囲で構いません。「たしか去年の春ごろ、毛先だけ」くらいでも、判断はぐっとしやすくなります。

トリートメントで、元に戻せるか

ここは正直に書いておきます。

一度下がった弾力は、トリートメントで戻るものではありません。熱を繰り返し当てて内部の繊維が変わってしまうと、元には戻りません。

トリートメントは、手触りを整えたり扱いやすくしたりする役には立ちます。ただ、なくなった結合そのものを作り直すものではありません。

ですので、実際の道すじはこうなります。

しばらく伸ばして、パーマが難しい部分を切っていく。
新しく生えてくる髪には、まだ何もしていない結合が揃っています。 その部分が長さとして育つのを待ちながら、少しずつ切り替えていきます。

時間はかかりますが、これが確実な方法です。もし断られたときは、「あとどのくらい伸ばせばかけられそうですか」と聞いてみてください。長さの目安が分かると、そこから予定が立てられます。

無理にかけると、その場では形が出ても、あとで髪がもたないことがあります。断るという判断は、そこを見てのことです。

まとめると

「縮毛矯正をしているからパーマは無理」と決めてしまう前に、一度見てもらう価値はあると思います。

あわせて読む

くせ毛の方は、そもそもくせとパーマの関係が別の話になります。くせ毛にパーマはかけられるをどうぞ。くせの流れに合わせて巻くという考え方を書いています。

かけたパーマが早く緩んでしまうときの見分け方は、パーマが2〜3週間で取れたと感じたらに書いています。根元から緩むのか毛先から緩むのかで、見立てが変わります。

かかったあとの朝の扱い方は、ゆるんできたパーマを、朝いちばんで出しやすくする方法をどうぞ。

参考にした資料
・日本パーマネントウェーブ液工業組合「パーマのメカニズム」
・花王「髪の知識・高温加熱の影響」

髪の状態には個人差が大きいので、実際の施術については担当の美容師にご相談ください。