パーマのこと

パーマが2〜3週間で
取れたと感じたら

2026.08.20

かけてもらったときはよかったのに、2〜3週間でカールが分からなくなってしまった。せっかくかけたのに、と思われるかもしれません。

ただ、ひとくちに「取れた」といっても、髪の中で起きていることは同じではありません。そもそも取れていない場合もあります。

順番に見ていきます。

まず確認したいこと。濡らすと出ますか?

髪を濡らしたとき、カールが戻ってくる。でも乾かすと、また分からなくなる。

もしそうなら、パーマ自体はまだ残っている可能性が高いです。

髪の中には、性質の違う結合が複数あります。そのうち今回の話に関わるのは2つです。

濡れているあいだは水素結合が切れているので、SS結合にかかったカールがそのまま出てきます。ところが乾くと、水素結合がもとの髪の形で繋がり直します。その結果、カールがだれたように感じられる。

つまり、「乾くと出ない」は「パーマが取れた」とは別のことです。

デジタルパーマが乾いてもだれにくい理由も、ここにあります。コールドパーマが濡れた状態で形を決めるのに対して、デジタルパーマは還元したあとに一度乾かし、その状態で加温して形を作ります。熱によってタンパク質そのものの形が変わる(熱変性)ので、乾いたときにカールが出やすくなる。「デジタルパーマのほうが持つ」と言われるのは、持続期間そのものというより、この乾いたときの出方の差が大きいです。

この場合は、かけ直すよりも先に出し方を変えるだけで解決することがあります。手順はゆるんできたパーマを、朝いちばんで出しやすくする方法に書いています。

直後は出ていたのに、だんだん消えていった

かけた当日から数日は、たしかにカールが出ていた。それが日を追うごとに弱くなり、2〜3週間で分からなくなった。

この場合は、還元が十分に届いていなかった可能性があります。

パーマは、髪の中の結合を一度切ってから、新しい形で繋ぎ直す施術です。この「切る」働きを担うのが還元剤です。

ここで知っておくと分かりやすいのが、髪の内部は均一ではないということです。

髪の中心部(コルテックス)は、硬くて反応しにくい結晶領域と、やわらかくて反応しやすい非結晶領域に分かれています。パーマ剤が主に作用するのは、この非結晶領域のほうです。

つまりパーマは、もともと髪全体を変えているわけではありません。反応する場所が決まっている。だからこそ、その必要な範囲まで還元が届いていたかどうかで、持ちが変わってきます。

一部だけが反応した状態だと、直後はかかっているように見えます。ただ、支えるだけの範囲が足りていないので、時間が経つにつれてもとの形に戻ろうとする力に負けていきます。

これは髪質や履歴によって起こりやすさが変わります。ご自身のせいではありません。

根元から緩むのか、毛先から緩むのか

同じ「緩んだ」でも、どこから緩んだかで見立てが変わります。

根元から緩んだ場合

実は、根元はもともと取れやすい場所です。理由は2つあります。

ひとつは、根元は生えてきたばかりの健康な髪であることが多いから。もうひとつは、毛量があるぶん、ロッドを巻いたときにカールが大きくなりやすいからです。同じロッドで巻いても、根元のほうがゆるいカールになります。

ですので、根元から緩んでくること自体は、それほど珍しいことではありません。

毛先から緩んだ場合

こちらは少し事情が違います。

毛先が緩む場合、ダメージによってケラチンが減っていることが考えられます。ケラチンが減ると髪の弾力が出にくくなり、カールの形を保てなくなる。かかっていないのではなく、形を支えられずにだれている状態です。

先ほどの非結晶領域の話が、ここにも関わってきます。強く傷んだ髪にパーマがかかりにくいのは、反応する場所である非結晶領域そのものが流れ出てしまっているからです。薬を強くしても解決しないのは、そもそも作用する相手が減っているためです。

この場合はパーマの設計だけでなく、そこに至るまでの履歴を見ていく必要があります。

次にかけるとき、伝えてほしいこと

もし次に同じお店でかけるなら、「前回は◯週間くらいでゆるんできました」と伝えてもらえると、それだけでも次の調整に活かせます。

そしてもうひとつ、これがとても役に立ちます。

これまでの施術履歴を、できるだけ正確に。

意外と忘れてしまっているものですが、パーマにとって最も必要で、しかも見た目には出ていない情報がここに含まれています。髪を見れば分かることもありますが、履歴だけは聞かないと分かりません。

履歴が分かると、薬剤の選び方も巻き方も変わってきます。仕上がりの精度がぐっと上がります。

かけ直す場合、何を変えるのか

「じゃあ次は薬を強くすればいいのか」と思われるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。

薬剤、ロッドの太さ、放置時間、パーマの種類。状態によっては、すべてを見直すこともあります。強くすればかかる、というものでもないので、どこが足りていなかったのかを見てから決めていきます。

だからこそ、前回どうだったかを伝えていただけると助かります。

まずは、出し方を試してみてください

いちばん最初に書いたとおり、濡らすとカールが出るなら、パーマはまだ残っています。

その場合、かけ直す前にできることがあります。手順は5分ほどです。

ゆるんできたパーマを、朝いちばんで出しやすくする方法 →

それでも出ない、あるいはかけた直後から思ったように出ていなかった場合は、かかり具合が少し足りていなかったのかもしれません。次に行かれたときに、気軽に相談してみてください。

デジタルパーマなのに朝だけ出ない、という場合はデジタルパーマが朝出ない|どんな仕上がりでかけてもらったかをどうぞ。同じデジタルパーマでも、狙った仕上がりで朝のやり方が変わります。

くせ毛の方は、そもそもくせとパーマの関係が別の話になります。くせ毛にパーマはかけられるもあわせてどうぞ。

この記事の内容について
毛髪の側鎖結合(シスチン結合・塩結合・水素結合)、結晶領域と非結晶領域の働き、 1剤の還元と2剤の酸化については、 日本パーマネントウェーブ液工業組合「パーマのメカニズム」 および 花王「髪の知識・パーマ」 の内容を参照しています。実際の判断は髪の状態によって変わりますので、施術については担当の美容師にご相談ください。