2026.08.20
くせ毛だから、パーマはかけられない。まずは縮毛矯正でまっすぐにしてから。そう思われている方は少なくないと思います。
ただ、実際にはその逆です。
くせは、パーマの邪魔をしません。むしろ、くせの流れに合わせて巻いたほうが、自然にまとまります。
なぜそうなるのか、順番に書いていきます。
見た目はどちらも「うねり」ですが、成り立ちがまったく違います。
髪の中心部(コルテックス)には、性質の違う2種類の細胞が入っています。硬さも構造も少し違うものです。
直毛の人は、この2種類が均一に混ざっています。ところがくせ毛の人は、どちらかに偏って分布している。そしてその偏りが大きいほど、くせが強くなります。
髪は、片方の細胞(オルト様コルテックス)が外側になるように曲がったり、ねじれたりします。これがくせの正体です。
つまりくせ毛は、生えてくる時点ですでに決まっているということです。だから根元から新しく伸びてくる髪にも、同じくせが出ます。
一方パーマは、髪の中にあるシスチン結合(SS結合)を薬剤で一度切り、別の形で繋ぎ直したものです。生えた後の髪に加える変化です。
だから、伸びてきた根元にはパーマはかかっていません。くせ毛とは逆の動きをします。
ここまでは違いの話でした。ただ、この2つには決定的な共通点があります。
どちらも、水分でカールが出るということです。
くせは、髪が水分を含むと出てきます。雨の日にうねりが強くなるのはこのためです。そしてパーマも、濡らすとカールが戻ってきます。
つまり2つは、同じ条件で同じ方向に動きます。ぶつかり合うものではありません。
ここが今回いちばん書きたかったところです。
パーマをかけるとき、くせの状態を見ながら巻き方を決めます。くせがどちらに流れているか、どこで強く出るか。それを読んで、その流れに沿うようにロッドを配置していきます。
くせに逆らって真逆の形を作ろうとすると、乾いたときにお互いが引っ張り合います。けれど流れを合わせておけば、くせとパーマが同化します。
結果として、くせ+パーマでひとつのスタイルとして成立するようになります。
そうなると、朝やることは「固める」だけです。伸ばす必要も、無理に形を作る必要もありません。すでに形はできているので、それを保てばいい。
広く言われていますが、花王の解説では「正確に遺伝を証明した研究はなく、経験的に遺伝ではないかといわれている」とされています。
また髪の形状は一生変わるものではありません。子どもの頃は直毛だったのに思春期や妊娠期にくせが出たり、逆にくせ毛がまっすぐになったりする例もあります。
花王の研究では、くせのある髪にヘアカラーをすると、2種類の細胞の分布そのものは変わらないのに、内部の偏りが大きくなることでくせやうねりが強まる傾向が確認されています。
「最近くせが強くなった気がする」という感覚には、こうした裏づけがあるのかもしれません。
これも同じ研究にあります。不規則にうねった毛髪の割合は10〜20代より30〜40代、さらに50〜60代のほうが多い傾向だそうです。
「若い頃のようなきれいなストレートにならない」という感覚には、こうした背景があります。
くせは、直さなければいけないものではありません。読み取って、設計に組み込んでいけるものです。
もちろん、くせの出方や強さによって向き不向きはあります。まっすぐにしたほうが扱いやすい場合もある。ただ「くせ毛だからパーマは無理」ということはありません。
相談されるときは、朝どのくらい手間をかけたいかを伝えていただけると助かります。そこが決まると、くせをどこまで活かすかの設計が変わります。
くせとパーマが同化していると、スタイリングの考え方もひとつになります。
水分で形を戻して、そのまま固める。手順は同じです。
具体的なやり方は、ゆるんできたパーマを、朝いちばんで出しやすくする方法に書いています。くせ毛の方にもそのまま使えます。
スタイリング剤の選び方は、フォーム・バーム・オイルの選び方をどうぞ。
デジタルパーマをかけている方は、デジタルパーマが朝出ない|どんな仕上がりでかけてもらったかもあわせて。仕上がりのタイプで朝のやり方が変わります。